昼と夜の境のノワール 1

2020/12/20 / 0 comments

翔北の職員用の食堂が一斉に混むことはほとんどない。 その翔北の食堂が今日はなぜか少しざわついている。 「ねぇ。あんたさ、ちょっと……、自覚あるの?」 「何がだ」 一人で食堂の丸テーブルに陣取っている藍沢の傍のテーブルから…

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昼と夜の境のノワール 2

2020/12/20 / 0 comments

脳外に藍沢が異動して、四、五年もすればコンサルを頼んでも藍沢が来るとは限らない。 もちろん、タイミングが合えば藍沢が来ることもあるが、少しずつ藍沢よりも若手のドクターが来ることが増えていく。 時には、一緒に飲みに行くこと…

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昼と夜の境のノワール 3

2020/12/20 / 0 comments

「あれ?」 小さな声を聴いて白石は足を止める。そして、外来の受付を済ませたばかりの律が白石の姿を見かけて声を上げたのだ。 「ああ。田中さん」 「白石先生、先日はありがとうございました」 「どうです?その後、出ました?」 …

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明日のglycine

2020/12/20 / 0 comments

脳外のコンサルを終えて新海が処置室を出るところで白石に追いついた。 「白石先生」 「新海先生。ありがとうございました」 「いえ。助かってよかったですね」 「おかげ様です」 ほっと一息というところで白石の顔には笑みが浮かぶ…

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透明の中のBlancとvermillon

2020/12/20 / 0 comments

出勤前の冴島がせっせと手を動かしていて、寝起きにとにかくシャワーを浴びた藤川は頭を拭きながら足を止めた。 「はるか、何してんの?」 「おにぎり作ってるの」 「なんで?」 昼は知っての通り、食堂でとるのがほとんどだ。だから…

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夜明けのIndigo

2019/11/11 / 0 comments

「ん~っ!!」 思い切り伸びをしながらカバーがかかったヘリへ続く道をゆったりと歩きながら両手を頭の上に引っ張るようにして伸ばす。 ポケットに入れた紙がかさっとスクラブに擦れた音がする。 真っ青と朝焼けの混ざった空を見上げ…

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真夜中のBlanc

2019/11/10 / 0 comments

夜の病院が怖い人は多いかもしれない。 というより、夜の建物は、というべきかもしれない。昔から怪談の類はお決まりのように学校や病院のようないかにもな場所にすぐそういう話を決め込む。 だが、医者をやっていて、夜の病院が怖いな…

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その意味は

2019/10/03 / 0 comments

朝でもテンションの高いのが藤川のいいところでもある。 「なぁなぁ。今日さ、なんか俺、中華の気分なんだよねぇ」 エレベータに乗って、いつものように藍沢と藤川は両端に立って浮遊感を味わう。 「そうか」 「だからさ、今日、昼中…

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手を繋ぐのは

2019/09/29 / 0 comments

「明日……ですか」 「そう。ダメ?」 カルテを書きながら三井は髪をかき上げた。パソコンに向かっていた白石は、一拍おいてから首を振る。 長い髪が背中で揺れた。 「いえ、大丈夫です。行きます」 「そ。橘先生の紹介だから」 明…

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