FLEX175~小さな花を買って

2020/12/26 / 0 comments

「さて」 「はい」 12月25日。 空井家のリビング。 一緒になって買い替えたウッドテーブルの上には、リカが作ったシーザーサラダと、大祐が作ったドライトマトとオリーブのマリネと、ジェノベーゼのパスタが並ぶ。 「「いただき…

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FLEX174~今年の厄落とし

2020/12/20 / 0 comments

テレビ局の仕事納めなどあってないようなものだが、一応は世間と同じ28日に昼を過ぎてからフロア内の大掃除が始まり、部長室代わりのパーティションの向こうになった阿久津も動き回っている。 「稲葉さ~ん。これ、しまっちゃいますよ…

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暴君の支配のもとで 3

2020/12/20 / 0 comments

打ち合わせを終えて、帝都を後にした大祐は、敷地を出るまでは全力で笑顔を保っていたが、比嘉がその後ろをついて歩いていくと、ぴたりと足を止めた。 危うくぶつかりそうになった比嘉が足元を見ると確かに一歩、歩道に踏み出している。…

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暴君の支配のもとで 2

2020/12/20 / 0 comments

あまり寝てないので。 そんな風に言われると、どうしていいのかわからなくなる。 責めているのかと思ったが、そんなわけでもなく目の前のリカは穏やかだ。 「あの……。リカ、さん?」 「はい?」 「……うん」 大祐にコーヒーを淹…

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暴君の支配のもとで 1

2020/12/20 / 0 comments

大祐は、車を止めてリカのマンションに向かって歩く。リカと再会して零日で結婚して、それから一度、東京に来た後、大祐の元にリカが来て。 電話ではたくさん話しているが、結婚してからこれで会うのは三回目である。 ―― うわ……、…

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昼と夜の境のノワール 1

2020/12/20 / 0 comments

翔北の職員用の食堂が一斉に混むことはほとんどない。 その翔北の食堂が今日はなぜか少しざわついている。 「ねぇ。あんたさ、ちょっと……、自覚あるの?」 「何がだ」 一人で食堂の丸テーブルに陣取っている藍沢の傍のテーブルから…

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昼と夜の境のノワール 2

2020/12/20 / 0 comments

脳外に藍沢が異動して、四、五年もすればコンサルを頼んでも藍沢が来るとは限らない。 もちろん、タイミングが合えば藍沢が来ることもあるが、少しずつ藍沢よりも若手のドクターが来ることが増えていく。 時には、一緒に飲みに行くこと…

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昼と夜の境のノワール 3

2020/12/20 / 0 comments

「あれ?」 小さな声を聴いて白石は足を止める。そして、外来の受付を済ませたばかりの律が白石の姿を見かけて声を上げたのだ。 「ああ。田中さん」 「白石先生、先日はありがとうございました」 「どうです?その後、出ました?」 …

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明日のglycine

2020/12/20 / 0 comments

脳外のコンサルを終えて新海が処置室を出るところで白石に追いついた。 「白石先生」 「新海先生。ありがとうございました」 「いえ。助かってよかったですね」 「おかげ様です」 ほっと一息というところで白石の顔には笑みが浮かぶ…

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透明の中のBlancとvermillon

2020/12/20 / 0 comments

出勤前の冴島がせっせと手を動かしていて、寝起きにとにかくシャワーを浴びた藤川は頭を拭きながら足を止めた。 「はるか、何してんの?」 「おにぎり作ってるの」 「なんで?」 昼は知っての通り、食堂でとるのがほとんどだ。だから…

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